島根県雲南市の工務店-いずもありがとう-いずも百年の家プロジェクトに参加して進化するすまいづくりを実践中!

社長のひとりごと 

工務店であるために 

外部のブログでアップしていたネタなんですが・・・

懺悔の意味もこめて会社のHPにもUPしておきます。

プロが無知であることは罪である

と思ってあれこれ勉強しておりますが、それ以前のお話です。

とあるお得意様がいた

住宅屋にお得意様というのが

適当な言葉であるかどうかはなんではあるが・・・

わたしのじいさんが社長の時代に家を建てくれたお客様である

その後、家族構成の変化に伴いリフォームをされた

今から10年ほど前のはなし

そのリフォームの監督をしていたのがわたしである

それ以来その家主様はわたしをひいきにしてくれた

いい意味でお得意様と出入りの業者という関係が保てていたわけである



当時わたしは家業を継ぐためにUターンしたばかりであった

前職は 同じく建設業

とはいへ 中堅ゼネコンの技術研究所研究員

エリート意識はあったけど・・・

住宅の施工監理に関しては

素人に毛がはえた程度のレベルであった

そんなかけだしのひよっこながら

おんぼらとした性格が幸いしたこと

また

とにかく一生懸命だったこともあり

技術的に認められたというよりは

性格的に気に入ってもらえたということなんだろう



その頃のわたしといえば

住宅の性能・・・なんて考える余裕もなく

「健康・省エネ・安全」なんて大事なことを

2の次、3の次として仕事をこなしていたのでありました

 

当時はシックハウスに対する世間の意識も今ほどもなく

当然シックハウス関連法案が施行される以前のお話なわけで・・・



そのお得意様のお宅は金銭的にはゆとりのあるほうでもあり

リフォームの出来はどうあれ

一生懸命わがままにつきあってくれたということで

わたしを認めてくれた(と思う)



その後

水まわり等の小さな修繕はもちろん

ときには

小屋裏に忍び込んだ青大将捕獲

トタン一枚の張替えまで


「家のことで なんかわからないことがあれば

 じょうだいさん呼べばいいね」

といってくれていた 
お客さんでありました

そういってくれたお客さんに対して

「うちは住まいの何でも屋、百貨店みたいなもんです
 専門店に直接頼まれたほうが安いものも当然ありますが
 なんかあったら何でも気兼ねなく相談ください」


こんなふうに答えていたわけです。
思えば
何も知らなかった駆け出しのわりには大きく出たものである


この姿勢が

私の目指すべき工務店の姿なのだと

今更ながら思ったりするのだが


「いい家を建てる」

ということはもちろん

「その生活を見守っていくこと」

が工務店の生命線である

と実践が伴っていたかどうかは別として

自分なりに感じていたんだと思います。


でも

このお得意様との関係はそう長くは続かなかったのでありました。

 

 

そのお得意様のお宅は公共工事の立ち退きのため

最近(数年前)、移転新築なさいました

その新築工事をしたのはとある中堅大手HM

うちではなかったのです



実はわたしをひいきにしてくれていたご主人は

数年前に他界され

あとを継いだ次世代の夫婦はHMを選択されたわけです


なんだよ

単なる次世代に営業をしていなかった怠慢なんじゃないの

と思われるかもしれませんが・・・話には続きがあります。



立ち退きのはなしが具体的になってきた5,6年前

わたしは新築したばかりの自分の家にそのお得意様をお招きして

自分の理想としたいえづくりを語っておりました

※いまでは自分の家づくりの理想もずいぶん進化して

 わが家は改良したい点たくさんあるんですが・・・

当時、ご主人は癌と付き合いながらも力強く

「あんたのところで立ててから逝かなきゃね」

と語っていてくれたものでした

最初はわたしも次世代への営業不足と片付けていたんですが・・・

今考えると悔やんでもいまさら取り返せないトラウマがあることに

最近勉強していくうちに気づいたのでした。


話は10年ほど前のリフォームのときにさかのぼります・・・



リフォームの内容は

浄化槽の設置に伴う水まわり
お風呂、キッチン、便所の改造
それに伴う和室をフローリングのリビングにする
その他という感じで・・・

当時、まだF☆☆☆☆とかついてない複合フローリングを使っていた時代

ホルムバリバリの接着剤のだったと思います。

シックハウスなんて知識当時は恥ずかしながら全然ありませんでした・・・



ご主人が

「どうせ床を貼りかえるんなら

床下のシロアリ駆除しといたほうがいいかな」

と切り出されたわけです


当時、というか今でも

薬剤による防蟻処理を定期的に施行する

というのは不思議な認識ではなかっわけですが・・・ 


そのときの私のこたえは・・・

「安い業者知ってますよ」

OH!( ̄□ ̄;)!!※ちなみにその安い業者は今はもういない・・・

私の紹介したシロアリ駆除業者は

薬剤の予防散布を実施した

その業者が土壌及び床下木材に散布したのは


クロルピリホス


説明するまでもないが

その発がん性等から現在は住宅での使用が禁止となっている薬物である

 

百年の家プロジェクトが「健康への誓い」で掲げる

「有害な防蟻処理はしません」

この言葉と当時出会っていれば、また別の展開があったかもしれない



10年前の私がお得意様に紹介した防蟻処理

クロルホリピスというのは当時は使用禁止の法律もなかったし

ご主人はその時点ですでに癌とお付き合いになっていた


私自身

クロルホリピスを使うと

即みんなが発ガンするなんておもっているわけではない


でも

単純な確率の問題

使わないより使ったほうが危険であるのは紛れもない事実

薬剤処理は人間にとっても危険なのである

使ったからシロアリの被害に遭わない確率を考える前に

↓ 

使わなくてもシロアリの被害に遭わない確率を考えるべき

 

今なら当たり前のこの考えが実践できていなかったのだ・・・


遭うかどうかわからないシロアリ被害を恐れて

確実に健康にとってマイナスに働く処理を施すのって

建築に携わるものとして・・・



そんな単純な答えがわからないのが多い

10年前の自分がそうである


ご主人が亡くならなければ

数年前にたったその家は間違いなく私が建てていたであろう

そのひとはわたしのファンであった

気に入ってもらっていたのが、技術力うんぬんでなく

人間として気に入ってもらっていたのに・・・

プロとして無知は罪である


今にして思う

「どうせ床を貼りかえるんなら床下のシロアリ駆除しといたほうがいいかな」

の問いに

「食わせときゃいいじゃないですか!」

「食われたら私が直しにきます」



なんでこんな簡単な答えがわからなかったんだろう・・・


工務店は

「いい家を建てる」

ということはもちろん

「その生活を見守っていくこと」

が大事

感じていたわりには実践できていなかった

10年前の自分がいる